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第255回

カレーの商品名。

[ 更新 ] 2022.07.08
五月某日 晴
 世界で最初につくられた眼鏡は、ウズベキスタンの鋸メーカーが製造したものであり、今もその鋸メーカーは存続している。
むろん眼鏡もつくりつづけており、眼鏡のつるには、稲妻を組み合わせた文様が刻印されている。
 という夢をみる。
 ぼんやりしたまま、枕元の自分の眼鏡を見てみるが、稲妻を組み合わせた文様はなかったので、ほっとする。

五月某日 晴
 七十三歳の知人に、新しい恋人ができる。
 一度だけ、希望すればその恋人とそっくりな姿になれるが、身長は十五センチほどとなる。
 希望しようかどうか、大いに迷う。
 という夢をみる。
 もしや自分は、その七十三歳の知人のことを好きなのかと疑いながら、しばし寝床の中でぼんやり。
 いやいや好きでも嫌いでもなくふつうに知り合いなだけなはず……と思いつつも、無意識のあらわれである夢の中での気分も反芻しつつ、自分の無意識なぞ信じてはいかん! と、自分に喝を入れてみるが、ぼんやりしているので、ふにゃあとした喝しか、入れられない。

五月某日 曇
 ドラクエウォークの新しいイベントが七つまとめて始まることが決まった日、仕事で十二人の人とそれぞれバラバラに会わなければならず、カレーの試食会にも行かねばならず、その中の味のしないカレーの商品名を考えなければならず、隣町が滅びかかっているので救いにゆかねばならず、それなのに午後一番に線状降水帯がこのへんにやってくる、という、もりだくさんすぎる夢をみる。
 今月、わたしは疲れているのだろうか……。

五月某日 曇
 ジムに行き、少し踊る。
 わたしだけでなく、同年配のみなが、どんよりした様子で、だらりだらりと踊っている。
 しばらく先生は静観していたが、やがて、
「生きてることを無駄にしない!」
 と、ひとこと放ち、みんなの先頭にたって、猛然と美しく踊りはじめた。
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