私、子どもできたけど、どうしよう~子どもについて、本音で聞かせてください!~ 犬山紙子

私、子どもできたけど、どうしよう~子どもについて、本音で聞かせてください!~ 犬山紙子

犬山紙子 イラスト=箕輪麻紀子

第15回 働く妊婦さんの悩み
~理解してもらえない、申し訳なさ、妊娠を言い出せない……~―1

前回に引き続き、妊婦さん、元妊婦さんから頂いたたくさんの(ありがとうございます!)アンケート結果から、みなさんがどんなことを感じていたのかご紹介しようと思います。
今回は働く妊婦さん編です。

通勤・職場・人間関係・制度......。
妊娠しながら働く。みなさん、どんなことを悩んだのでしょう。会社勤めの方、派遣社員の方、自営業の方、フリーランスの方など様々な立場の方のお話が寄せられました。
 
「妊娠中、仕事をしていて不安だったこと、こうだったら良いのにと思ったことを教えてください」

この質問に対し、多く見られた意見をまとめると、

◎安定期前、周りに言えない時期の初期のつわり。一番しんどいときに人に言えない辛さ

◎赤ちゃんに何かあったらどうしようという強い不安

◎妊娠について知識がない上司、同僚、後輩

◎妊娠9ヶ月まで働かないといけない

◎通勤、帰宅ラッシュがかなり辛い

◎横になれる休憩室が欲しかった

◎フリーランス、自営業の不安。臨月まで仕事をしてしまう、産休明けにまた使ってもらえるのか、仕事の発注が減ってしまった。

◎仕事に最後まで責任を持ちたい、キャリアも諦めたくない、でも無理をしてはいけない。精神面と肉体面の葛藤。

◎派遣社員だから育休が貰えない、会社に産休制度がなくやむなく退職。


という結果に。
その中から意見をピックアップしてみました。


◎安定期前、まわりに言えない時期の初期状態のつわり。一番しんどいときに人に言えない辛さ

★まだ周りに言っていない初期はつわりで辛かったので、誰にも見つからずに横になれるスペースが欲しかったです。

★まだ妊娠初期で会社に報告していない時期、会議や会合で喫煙する人がいることが不安でした。安定期に入り、会社に報告してからは改善されるのですが、それまでの期間は困りました。
あとはそういう時期に、仕事で重い荷物をたまに運ぶ機会があったこと。恒常的にそういう機会があるならば、早めに会社に報告するなどの方法もあるかと思うのですが、本当にごくごくたまに、なので難しい。


妊娠初期は私も本当に悩みました。必要最低限の人にしか言えないなか、無理をしなければいけない場面がどうしても出てしまう。妊娠を言えない初期が流産の可能性が高かったり、つわりがひどかったりと本当は一番支援が欲しい時期なぶん、なおさらです。うまくごまかそうとしても、ごまかしきれないことがあったり......。周りに気を使う自分と、お腹の赤ちゃんに負担をかけてしまっているのではと辛くなる自分との間で泣きそうになること多々。

上司だけでなく、なんでも話せる信頼できる人が一人でも職場にいたらその人の協力も得られるのでだいぶ違うんだろうなあと、今になって思います。

私の場合はマネージャーさんが気を使ってくれてすごく助かりました。が、それでもやはりごまかしきれない部分は出てくるので、この問題は大多数の妊婦さんが今後も抱えていくんだろうなあと思います。少しでも現状が良くなるとすれば、それは妊娠についての正しい知識が広まることなんだと思います。

まだまだ、流産したのは働いていたせいだとか、お腹が出ていない時はそんなに辛くないはずとか、つわりは吐くタイプのみとか誤解だらけのことを言う人も多いですから。


◎赤ちゃんに何かあったらどうしようという強い不安

★一度流産を経験しているので、なにもかもが不安だった。重いものもたまに持たなくてはいけないので、配慮してほしかったけど、自分からも言えず、また産めなかったらつらいと思い、妊娠が分かってすぐに辞めた。


★いつ何があるかわからないのが不安です。安静になりかなり前倒しして産休に入ったのですが、通勤がつらいだけでメールを見たり電話をしたりはできたので、家で仕事ができればいいのにと何度も思いました。


この不安も先ほど書いた、「仕事をする自分」と「赤ちゃんを守りたい自分」との葛藤が、より深刻にすると思います。仕事をしなければご飯を食べていけない、でも赤ちゃんに何かあったらと思うと気が気じゃない。流産は母親が仕事をしたから、動いたからといってするものではないけど、「無理しないように」とは言われるわけで。妊婦さんには常に「自分の行動のせいで赤ちゃんに何かあったらどうしよう」というプレッシャーが付きまとうものなんですよね。


◎妊娠について知識や理解がない上司、同僚、後輩

★上司に妊娠を伝えると、交代を探すが、キリのいいところまであなたがやってねと、つわりで辛い時期に新幹線で3時間のところへ出張に行ってました。あの時は身体も心も参りました。妊娠がわかってすぐ交代してほしかったのですが、上司に妊娠初期の身体の状態について知識がないこと、会社の人員不足、そしてなにより、仕事が思うようにできなくなるという自分の罪悪感から、かなり無理をしてしまいました。

★事務の仕事ですが、各部署を書類をもって歩き回るので運動量が多くお腹が張ります。経済的に余裕がないのでリトドリンを処方してもらいなんとか誤魔化し働いています。皆さん気にかけてくれますが、直属の上司に理解がないため体調不良を甘えと捉えられたり、疎ましそうな対応をされたりするのでやりにくいところはあります。経産婦だからわかりあえるわけではありませんが、仲介役のような人がいたら良かったのにと思います。

★つわりがひどく、2週間ほど自宅安静になったのですが、デスクワークはやり続けなければいけなかったのがつらかったです。口ではみんな「ゆっくり休んでください」と言ってくれたのですが、実際は職場からの電話やLINEが鳴りっぱなしでちっとも休めず。自宅安静ってことは、自宅では今まで通り仕事できると思われてるのか......?とすごくモヤモヤしました。


★会社の後輩男子にいわれた「育休いいですねー。なにやるんすか?」という言葉......。

★産後すぐ復職予定であることについて職場の人に言われた「一歳までは子供と一緒にいた方が良いのに」「そんなにお金に困っているの?」。

★妊娠3ヶ月の頃、妊娠したので産休をとる旨を職場で報告した際、同僚女性に「死産になる可能性もあるから、会社に籍はおいとくべきだよね」と言われました。安定期前で気持ちが不安定だったので非常にショックでした。また、当初は3月が出産予定でしたので、同僚女性数名に3月生まれは体格差が出てかわいそう」「何が何でも4月に生みなよ」など事あるごとに言われました。


★職場に妊娠した人が重なり、「また!?」って言われたこと。「本当につわりなの?」とか。「つわりだって言ってトイレに行ってばかりいる割には太っていってるよね!?みたいな...。


★派遣社員から正社員になって半年後に妊娠がわかったので、周りには「上手くやったね」と言われました。
元々派遣時代から上司には不妊治療をしていることや養子縁組も考えていることや社員登用試験を受ける時も、妊活は辞めないことなども話し合っていたので、同じ部署内では引継ぎも出来ており色々言われることはないのですが......。

★ひとり目妊娠のとき、妊娠初期に出血した際、病院に行くため会社に遅刻すると直属の先輩(出産を経験してる女性)に伝えたところ、それで仕事がまわるなら行っても別にかまわないけど?など、こちらからはいいとも悪いとも言わないけど、普通根性でどうにかするでしょう??のようなことを言われてしまった時は嫌でしたね。
その後、あの子はマタニティブルーよ!など、私に確かめもせず言ったり、妊婦は動くべき......など、案外経産婦の女性の方がキツイ場合もあると感じます。

★仕事をしていましたが、つわりと人生の急旋回によるマタニティ&マリッジブルーで1ヶ月ほどやすむことになりました。その際会社の経産婦に「皆薬飲んででも働いている」「妊娠は病気じゃないんだから」などの発言をされたことです。37歳での出産でリスクがないとも言えない時期で、周りの友人にも切迫早産や死産を経験する人もいたので、無神経極まりない発言だと思いました


理解のない人、無神経な人、自分も苦労したんだからお前もしろという人......。そういう人が職場にいたらどれだけ辛いか。会社に行けば毎日顔を合わせなきゃいけないというのも相当なストレスだと思います。これだけ女性が働く世の中になって、上司に妊娠や妊婦さんに対する知識がないというのは会社側の問題なのでは? と私は思います。
そして、知識があるはずの経産婦さんによる「私はこうしたんだから、お前もこうしろ」という押し付け。妊婦さんの体の具合、辛さなんてほんと人それぞれなんですよね。つわりで入院が必要な人もいれば、ケロッとしている人もいる。切迫流産で入院する人もいれば、臨月でも元気な人もいる。「自分は仕事ができたから他の人もできるはずだ」論は通用しないんですよね。これは、経産婦さんだけでなく、「うちの妻は(姉妹は、友人は)妊娠しててもばりばり働いていたよ」という人など、視野の狭い人がやりがちな行為。絶対したくない行為です。