「証。」

そうさん:自分が生きた証を残したいって思います?
ハリー:ぼくはそういうの、ないんだよ。むしろイヤなんだ。っていうか、残らなくっていいと思うし、多分残らないだろうとも思う。埋もれちゃうよ、きっと。
そうさん:いい音楽、つくってるじゃないですか。
ハリー:そんなものは、この世には大した影響ないよ。ただし、つくっちゃったものは消えないからね。それは強く感じてはいる。たとえば、ぼくがレイモンド・スコットというすごい音楽家を知ったのは実は最近で、音楽史にはほとんど出て来ないから知らなかったの。でも、そういう風に歴史のなかに 埋もれちゃった面白い人がいっぱいいるっていうことはわかってきて、多分自分もそういう類いだろうと思うわけ。いつかどこかで「再発見」されてもいいけれど、されなくて埋もれちゃってもいいや、っていう。
