センスのABC

岡尾美代子

気持ちが良い、が大切

  今日の足元は気持が良い。
 なぜかというと新しい靴下を履いているから。
 靴だって磨きたてで(久しぶりだけど......)ピカピカだ。
 足元がきれいだと、自分が少し上等な人間になったような気がする。おしゃれな店にも気負わず入っていけるし、堂々と振るまえたりもする。「おしゃれは足元から」というけれど、本当にその通りだと思う。だってせっかくおしゃれをしていても、足元が汚いと、なんだか惨めになっちゃうものね。
 えーっと、その新しい靴下は「AURALEE」というカットソーで定評のあるブランドのもので、普通のものよりも幾分、値段は高い。でも目についた時にピンときたのだ。これはきっと気持ちの良い靴下だ、と。初めて足先を通した時、素材の感触が、想像していた以上の気持ち良さにびっくり。きつくもなく、ゆるくもなく、柔らかく足にフィットする。うん、やっぱり、気持ちいい。こういうことがあると心が小躍りする。
 こんな風に足元の気持ち良さが、その日1日の気分をふっくらさせてくれる。ソックスでなくても、下着やTシャツ、パジャマだって、肌に直接触れるものは、気持ちの良い素材とデザインのものを着たいと思う。固くてゴワゴワした窮屈なものは、それだけでストレスをまとっているようなものだから。でも何も高いものだけが良いものというわけではなくて、インド製の薄手のコットンは風を含むような涼しさがあって、夏の暑い日にぴったりだし、アクリルのフリースもぬいぐるみに頬ずりをしたくなるのと同じような癒される感触だ。気持ち良さを見つけるのは自分の身体、それと五感。そこに敏感になることが、気持ち良さを探る手段なのだと思う。こういうことも"センス"につながるのではないかな。体感が経験となって、それが一つの勉強となるという意味で。

とてもベーシック、そして履き心地のいい「AURALEE」のソックス。他にも「YAECA」やTOUJOURSなど、服作りに強いこだわりが感じられるブランドはいい靴下を作っている(オカオ調べ)。

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PROFILE

岡尾美代子
(おかお・みよこ)

高知県生まれ。スタイリスト。
雑誌・書籍などさまざまな媒体のスタイリングを手がけるほか、
鎌倉で友人とともにデリカテッセン「DAILY by LONG TRACK FOODS」を営む。
『Land Land Land』『Room talk』『肌ざわりの良いもの』『雑貨の友』などの著書がある。

Instagram:@miyokookao  LONG TRACK FOODS