センスのABC

岡尾美代子

アーミッシュの町へ

 フォトグラファーの大段まちこ、デザイナーの岡村佳織とともに自主制作している「A VERY MERRY EVERY DAY to you 日めくりカレンダー」。このカレンダーの2019年版をただ今制作中だ。来年はテーマーを"アメリカ"としたので(2018年版は"イギリス"だった)、約2週間の日程でブルックリンをベースに撮影をしてきたばかり。今回はその話を少し。
 撮影場所が都会だけだとつまらないからと、少し郊外に足を延ばすことにして、ブルックリンから車で約3時間のペンシルベニア州ランカスターに行ってみることに。ここは以前から興味があったアーミッシュやメノナイト派の人々が多く暮らす地域で、若い頃に買ったビル・コールマンの写真集『THE GIFT TO BE SIMPLE』や、映画『刑事ジョン・ブック 目撃者』を観て、私が密かに憧れていた場所だ。実際にその場所に行けるなんて、と一人心は躍る。
 ハイウェイを降りて宿を目指す道すがら、ふと目に入ってきたのはアーミッシュの若い男女がボール遊びをしている光景。女の子はシンプルなワンピースにエプロン、男の子はシャツに黒い吊りズボン。目の前に写真集の世界が突然現れたことにびっくり。しかもあまりに普通に。というのは、もっと閉鎖的な暮らし方をしているのだろうと勝手に想像していたのだ。だけど滞在している間に目にしたのは、ファミリーレストランで家族で食事をしている姿だったり、市場で働いている姿だったり、家も普通の人とアーミッシュの家が隣同士だったりと、地域と共存しつつ普通に生活しているのがなんとも意外だった。バギーと呼ばれる馬車と、車が同じ道を走っていたりして。
 でも、こういう「共存」になんだかほっとする(勝手な気持ちですが)。
 さて、この場所でも撮影した来年のカレンダー。どういう写真が掲載されるかはまだ秘密だけれど、どうぞお楽しみに。

アーミッシュの食品店。瓶が並ぶ風景に(静かに)興奮。

同じ食品店で売っていた食パン。こちらもシンプルなパッケージ。

定休日で閉まっていた観光施設の風景。巨大なアーミッシュ・ファーマーに写欲を刺激された私(笑)。これ、あまり大きく見えないけれど、股下が2メートルぐらいあるんですよ。

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PROFILE

岡尾美代子
(おかお・みよこ)

高知県生まれ。スタイリスト。
雑誌・書籍などさまざまな媒体のスタイリングを手がけるほか、
鎌倉で友人とともにデリカテッセン「DAILY by LONG TRACK FOODS」を営む。
『Land Land Land』『Room talk』『肌ざわりの良いもの』『雑貨の友』などの著書がある。

Instagram:@miyokookao  LONG TRACK FOODS