センスのABC

岡尾美代子

食器の虫干しとParatiisi

 暑い、暑い、毎日。しかも湿気も凄い。ただでさえ湿気の多い鎌倉では、家の中のものがカビないように、夏の虫干しは欠かせない行事だ。そんなわけで晴れた休日には、家の窓や扉を全部開けて、椅子、カゴやざる、せいろや木製のカトラリーなど、カビが好きそうなものを全て庭に出して、お日様に当てて虫干しする。同時に台所の戸棚の中にある食器も全部取り出して、棚を水拭きして風を通す。これは"プチ引っ越し"的な、なかなか大変な作業だけれど、これをすると隅っこに追いやられて忘れてた食器に気づいたり と、不要なものの整理になるという利点もある。
 それから戸棚を乾かしている間に、思い切ってあまり使っていなかった食器も洗ってみる。それを清潔なキッチンクロスできれいに拭いてから、裏面を上にして、ダイニングテーブルの上に並べ、さらに乾かしてみる。言うなれば食器の虫干し? きれいに並んだ虫干し中の食器は見ていて気持ちのいい風景でもある。ただ、こんなに使っていない食器が家にあるのってどうなんだろう、という疑問は湧くけれど......。
 一時期よく使っていた「Paratiisi(パラティッシ)」も、戸棚の奥にしまっていたせいか、その存在をすっかり忘れていた食器だ。
 1969年にビルガー・カイピアネンによってデザインされたこのシリーズは、ARABIA(アラビア社)のロングセラーとなっている。私が持っているのは白と黒のモノトーンのもの。果物や植物がモチーフの柄が全面に使われているから、一見使いづらそうな印象があるけれど、実は意外と何でも受け入れちゃう食器なのだ(和食のおひたしや、煮物だって結構いい感じに似合うのよ)。
 虫干しのおかげで再会した(?)Paratiisi。せっかくだから久しぶりに使ってみよう っと。

食器、虫干し中。このほとんどがParatiisiだったりする......。そんなに要らないだろうと、自己つっこみ。

虫干しの翌朝。久しぶりにParatiisiのボウルを使ってみる。スキレットで温めた、(大焦げしちゃった)レーズン入りのロールパンとフランスのバターの簡単な朝ごはん。

こちらは休日の昼ごはん。やはりスキレットでフォカッチャとピーマンとトマトを一緒に焼いてみた。こんな適当なメニューでも寂しく見えないのは、Paratiisiの柄がポイントになってくれてるから、かな?

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PROFILE

岡尾美代子
(おかお・みよこ)

高知県生まれ。スタイリスト。
雑誌・書籍などさまざまな媒体のスタイリングを手がけるほか、
鎌倉で友人とともにデリカテッセン「DAILY by LONG TRACK FOODS」を営む。
『Land Land Land』『Room talk』『肌ざわりの良いもの』『雑貨の友』などの著書がある。

Instagram:@miyokookao  LONG TRACK FOODS